無題

身体中がいてぇ…腕も背中も頭からも血流れてやんの…

俺死ぬのか…?

弱いくせにでしゃばったからこんなことになったんだよな…

でも守らなかったらあいつは死んでた…

周りを見るともうあいつの姿はなかった

…無事に逃げ切ったか、良かった

さて、俺はどうするかな

目の前の奴を何とかしない限りこのまま死ぬだろうな…

でも今の俺に奴を倒すなんて無理だ、無傷だったならまだわからなかったけど

身体が動かねぇ…

そうこう考えているうちに奴が襲いかかってきた

ああ…死んだな

覚悟を決めて目を瞑った

が、なんの変化もない

おそるおそる目を開いてみると

奴が血だらけになってる

今の一瞬で、だ

一体何があったんだ…?

「よう」

目の前に誰かが立っている

視界が霞んでよく見えない

「………誰だ……ッ」

するとその誰かはしゃがんでこう言った

「俺か??俺は…医者だ」

医者??なら俺の傷をなんとかしてくれよ…

その前に奴はどうなってんだ…ぴくりとも動いてないぞ

「仕方ない、治してやるよ…あーあいつか、目障りだから死んでもらったわ」

なんだこいつ…人の心が読めるのか??

「まあな、読心術ってやつだ」

ってか死んでもらったって…あの一瞬で殺したってことか??

有り得ねぇ…ほんの一瞬目を瞑っただけだぞ、何の音もしなかったし

「そんなの簡単だろ、お前できねーの?」

できるわけねーよ…

そんなこと、よ、り………

早く…傷、を………

そこで俺の意識は途切れた