莱さんの小さい頃の話5
「要するに私と澪くんは釣り合わないってこと…?」
「……そういうことに、なるね」
お父さんの話だと澪くんは長男で、いずれ鳳條院家を継ぐから祖先を残すために他の富豪の娘が許嫁にいるらしい
そんなの、認めたくないよ
「結婚とかお付き合いとか、出来なくてもいいから」
本当は良くない
「澪くんの傍にいられることはできないの…?」
辛かっただけど泣かなかった、もしかしたら他に方法があるかもしれないから
「……………無い」
…え??無いの??嘘でしょ??
「そっかぁならしょうがないよね!!まあ澪くんのことは友達として大好きだから全然大丈夫だけどねっ!!!」
作り笑いで誤魔化す
「そうか、なら良かった友達としての好きなら大丈夫だね」
「うん!それじゃあ私明日も澪くんと遊ぶから早めに寝るね!おやすみなさい!!」
そう言って急いで自分の部屋に言った
まだまとめきれてない荷物ばかりの部屋
でも布団はちゃんと敷いていて
思いっきりダイブして、声を押し殺して泣いてた
友達としての好きじゃないの、違うの
そんなこと誰にも言えなくて
泣き疲れた私はいつの間にか眠っていた