莱さんの小さい頃の話4

「それでね!そこには澪くんっていうとっても素敵な男の子がいたの!それでね、それでね!!」

話したいことが有りすぎて早口で話す私

楽しそうに両親は聞いていたけど澪くんの名前を口にした途端表情が変わった

「…莱、澪くんの苗字わかるかい?」

なんで苗字を、聞くのかな…

「鳳條院、だよ!」

"鳳條院"と言ったと同時に両親の表情が曇る

「莱は、澪くんのことが好きかい?」

「好き、大好きだよ!!」

さらに表情が曇る

なんで??

「鳳條院家はとても有名な一家なんだよ、前にいた土地でもとても有名だった…当主の星様はとても素晴らしい人だ、私達民衆のことをよくわかってくださる」

話がわからない

「どういうことなの?お父さん…」

「澪くん、いや、澪様は鳳條院家の長男だ…つまりどんなに頑張っても、莱と結ばれることはないんだよ」