莱さんの小さい頃の話3

「さて、それじゃあそろそろ行こうか!お家の人もきっと心配してるから」

「うん!そうだね…」

家に帰れるのは嬉しかったけどもう少しここで澪くんと話したかったな、なんて

それにしても、鳳條院って苗字どこかで聞いたことあるな…なんだっけ…と考えていると

「わかりやすいように莱ちゃんが来た道戻ろう!またここに来たときの為にね!」

…また??

「…え?また来てもいいの?」

澪くんはきょとんとした顔でこっちを見る

「いいよ?莱ちゃんが来たいなら好きにすればいいさ!」

嬉しくて嬉しくて胸が一杯になった

「絶対、絶対来るね!!」

考えていたことを忘れるくらい嬉しかった

忘れちゃったけど

そしてその後澪くんに丁寧に道案内をしてもらって無事家に帰ることができた

「それじゃあ、僕帰るね!バイバイ!」

まだ、一緒にいたいけど、我慢

「あ、のっ…」

「何?」

明日

「明日また、…あの場所に行ってもいい?」

さっき澪くんはいつでも来ていいって言ったけど、やっぱり気になった 「いつでもおいで!待ってるよ」 それでもやっぱり澪くんはいいと言ってくれた 澪くんが見えなくなるまでずっと手を振り続けていた私 それに応えてよく振り向いて手を振りかえしてくれた 浮かれた気持ちで家に入り両親に今日の出来事を話した