莱さんの小さい頃の話6

カーテンの隙間から入ってくる日差しで目が覚める

目のしたがヒリヒリする

「準備しなきゃ」

今日は澪くんと遊ぶから顔を洗いにいった

鏡を見ると目が少し腫れてる

…泣きすぎたなぁ

冷たい水が染みるけど気持ち良かった

腫れもちょっと治まったみたい

「おとうさん、おかあさんおはよう!」

「おはよう莱」

「今日は澪くんと遊ぶんだったね」

「うん!!」

何気ない会話をしながらご飯を食べて私はそとにでた

「いってきまーす!!!」

気を付けるのよっておかあさんが窓から顔を覗かせながら言った

「わかってるよー!!!」

私はあの場所へ走った

草でできた小さなトンネルを抜けると昨日と同じ綺麗な朱色の花達

やっぱり澪くんは中央にある木の下にいた

澪くん、と声をかける前に彼は振り返って

「やあ莱ちゃん、おはよう」

なんて笑顔で言った

やだもうかっこよすぎて私死ねる

「おはよう澪くん!!昨日はありがとう!!」

澪くんはそんなお礼言われるようなこと

してないよって笑ってた

「澪くんはよく笑うね!!」

とても素敵だと思うよ

「そうかな??まあ…幸せだからかな、毎日楽しいし」

「私澪くんが笑ってるところ好きだなぁ」

なんてつい言ってしまった

でも彼は気にする風でもなく

「嬉しいな、ありがとう!」

って言った

そのあと澪くんと一緒に近所の探険をした澪くんこここら辺の土地を知り尽くしていてとにかくすごかった

たくさん遊んだあとあの木の下でねっころがってたら澪兄ーっ!!って呼ぶ声が聞こえた

起き上がって見てみると黒髪で両サイドのハネ毛に少しみつあみをしてる小さな男の子がこちらに走ってきた

「琉華だ!!」

琉華…昨日そんな名前聞いた気がする

「澪兄遊びに行くならぼくにも言ってよー!!!」

その男の子はむすっとした顔で澪くんに話し掛けてた

…かわいい

「あ、莱ちゃん、紹介するね弟の琉華だよ」

琉華くんは私の方を向いてフニャッと笑って

「はじめまして!!!琉華だよ!!よろしくね!!」

って、本当かわいいこの子!!

「私は莱、よろしくね琉華くん」

そういって頭を撫でるとすごく嬉しそうな顔して目瞑ってた

「莱姉って呼んでいーい??」

「莱姉??」

「うん!おねーちゃんみたいだから!!」

おねーちゃんみたい、か

「もちろんいいよ!!」

ひとりっこの私にとって弟ができたみたいでうれしかった

澪くんと琉華くんと話してるといつのまにか日が暮れていた

「そろそろ帰らないとね、莱ちゃん家まで送っていくよ」

澪くん紳士…

「大丈夫だよ!一人で帰れるから!!」

「ぼく莱姉送りたいー!!あぶないよー!!」

澪くんの真似してるのかな??

「じゃあ送ってもらおうかな」

そう言ったら琉華くんすごく喜んでた 「…じゃあ莱ちゃん、また明日ね!」 「莱姉ばいばーい!!!」 また明日ね、ばいばいって言って二人の姿が見えなくなるまで家の前にいた その次の日もまた次の日も澪くん達と遊んだ